磁性記録

1.磁性記録

磁性記録
図1:磁性記録

 人類は着磁した鉄が他の鉄を引きつける現象を、紀元前から知っていた。

 しかし、この現象の理論的説明は、20世紀初頭の量子力学の出現まで待たなければならなかった。

 詳しい説明は専門書に譲り、ここではこの現象を利用した、記録技術について説明する。

 1930年頃、ドイツやアメリカが音声を長時間記録する方法として金属ワイヤーの表面を着磁させ、保存する技術を開発し実用化した。当初は軍用目的であったが、その後民間にも利用される様になった。

 第二次世界大戦中、この技術は著しく進歩した。紙や樹脂フィルムの表面に磁性体を付着し、リールに巻き付け1時間以上の長時間記録が可能になった。

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2.記録

 図1は、磁気記録の原理を示している。記録信号に対応した交流電流を流すと電磁石の隙間に、磁場が発生する。電磁石(ヘッド)に密着させながらワイヤーを移動させると、その漏洩磁束でワイヤーの表面が着磁し、図示した様にワイヤーの表面に小さい永久磁石が多数できる。

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3.再生

 信号を再生するには、磁気記録されたワイヤーをヘッドに密着させて移動させると、ワイヤー表面の小さい永久磁石の磁場でヘッドに起電力が発生する。

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4.消去

 ヘッドに直流電流を流し、3と同様に記録するとワイヤー表面は例えばNに着磁し、記録されていた信号は、消去される。

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5.ワイヤーの磁化の様子


図2

 磁性体を磁化すると図2に示す様に、外部磁場の強さと磁化されたワイヤーの磁気分極(磁化の程度)の大きさは、非直線でヒステリシスカーブを描く。

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